能美根上駅は１９１２(大正１)年１２月２０日に寺井駅として開業した。開業時は根上村だったが当時、寺井の村は付近にあったが、なぜ寺井駅となったかは不明。駅のある根上町は巨人・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜選手の出身地で、駅前の通りはホームラン通りと名付けられている。
　寺井駅は、旧寺井町内でなく旧根上町内にあり、地元では「根上」への改称を求める運動が明治期からたびたび起きていた。近年では、１９９３(平成５)年、当時の「駅名を考える根上町民会議」が署名活動を行った。新駅名の候補は市全体をＰＲする「能美」と、地元住民の思いをくんだ「根上」を合わせる「能美根上」をＪＲ西日本に申請し、２０１５年３月１４日に駅名が変更された。
　ホームは島式で橋上駅舎とは階段とエレベータで結ばれ、山側１番線が福井方面、海側２番線が金沢方面となっている。能美市の玄関口で、能美市が進めるＪＲ寺井駅周辺整備事業で橋上駅化されることになり、橋上駅舎は２０１４年３月９日に供用開始され、バリアフリー化された。自由通路のエレベータは定員２６人で、自転車も乗せる事ができる。ホームエレベーターは定員１１人。
　２０２４年３月１６日北陸新幹線 金沢− 敦賀間開業に伴いＩＲいしかわ鉄道に移管され、無人駅となった。
　海側に電化セメント工場への引き込み線があったが撤去され、保線車両の留置線として金沢駅側に一部残るだけとなっているている。駅舎側にも側線があったが工事開始により撤去されている。ホームは大きくカーブしているため、車掌が後方を確認するためのモニターが設置されている。
　１９２５(大正１４)年８月１３日に北陸鉄道能美線が、駅前の新寺井から辰口温泉を経て鶴来まで結んでいたが１９８０(昭和５５)年９月１４日に全線廃止された後、代替バスが走っていたが、これも２００７年１２月３１日で廃止されている。駅前からは能美市コミュニティーバス「のみバス」の根上地区循環バスと北陸先端科学技術大学院大学までの連携バスが乗り入れている。連携バスは能美線代替バスのルートに沿って運行し、途中バス停で寺井地区循環バス辰口地区循環バスに乗り継ぐことができる。運賃は目的地(乗継券使用)まで１回１００円、但し連携バス以外は便数が少ない。
　駅周辺には能美市根上庁舎、能美市立浜小学校、能美市立根上中学校、能美市立病院、根上ショッピングプラザ、根上大浜郵便局、がある。海岸付近に小松精練株式会社の本社工場がある。
　九谷焼で有名な寺井町は駅から５kmほど離れている。県道４号線沿いに窯元や販売店が並んでいる。そこから３kmほど東側に九谷陶芸村がある。辰口地区に、いしかわ動物園、七ツ滝があり、七ツ滝上流側に北陸先端科学技術大学院大学、ＮＴＴ西日本メディアアークスビルがある。