動橋駅は官設北陸線が小松まで開通した１８９７(明治３０)年９月２０日に開業した。 読み方は「いぶりばし」だったが１９５６年１２月１５日から現在の「いぶりはし」に変更された。動橋駅からは山代温泉と片山津温泉を結ぶ北陸鉄道加南線が運行されていて特急列車の停車する駅だったが現在は人駅となっている。
　北陸鉄道加南線は１９６５年９月２４日に片山津線が廃止されたが、それでも動橋駅は加賀温泉の玄関口として特急が停車し、バスが加賀温泉各地
結んでいた。動橋駅の凋落を決定づけたのは、１９７０年１０月１日に大聖寺との間にあった小駅の作見駅が特急停車駅に格上げされ、駅名を加賀温泉駅に改称してからである。残っていた加南線の山代線も１９７１年７月１０日についに廃止された。動橋と大聖寺と短い区間で停車していた特急は加
賀温泉駅停車に集約された。なお大聖寺駅は加賀市の玄関口として通勤特急と一部の特急が停車する。動橋町が加賀市となって半世紀以上が経過し、
特急停車争奪戦も遠い昔話となった。
　北陸鉄道加南線を走っていたアルミカー「しらさぎ」が山中温泉の道の駅「ゆけむり健康村」に展示保存されている。加南線廃線後、大井川鐵道へ
譲渡されたが、同鉄道で廃車になった後、古里へ戻り展示された。
　ホームに線番はなく、駅舎側の片面ホームが福井方面で跨線橋を渡って島式ホームの外側が金沢方面となっている。内側ホームにも線路はあるが、
他の駅のように追い越し待避線としては使用できない構造になっている。それは金沢側で上りの線路と福井側で下りの線路と繋がっていないからで、
かつては待避線として使用されていた形跡有る。下り線から保線車両を保線車両庫へ入れるために使われているらしい。
　５２１系導入に際してホームは５２１系６両分が嵩上げされ、それ以外のホームは柵がされ、立入禁止となっている。島式ホームの未使用部分も柵
がされ、立入禁止となっている。２０１７年４月１５日からＩＣＯＣＡエリアとなり、ＩＣカード用の簡易改札機が設置されている。
　駅近くに石川県立加賀高校があり、大駐輪場が設けられている。駅前に通勤利用者用の駐車場もある。駅のすぐ前には動橋郵便局がある。粟津駅側
に動橋川橋梁がある、動橋川は福井県境の大日山付近からの流れを集め柴山潟に注ぎ途中に法皇山横穴古墳群がある。横穴古墳は６〜７世紀の頃に造
られたといわれ、山に横穴を掘り、家族集団の首長の人たちを葬った墓だといわれている。
　山中温泉のこおろぎ橋で有名な大聖寺川は源流は大日山付近だが、大聖寺駅の金沢側で北陸本線を潜り、北潟湖付近で日本海に注いでいる。途中に
九谷ダム、我谷ダム、山中温泉がある。
　２０２４年３月１６日北陸新幹線 金沢− 敦賀間開業に伴いＩＲいしかわ鉄道に移管された。