電鉄富山駅の駅舎は地鉄駅ビル「エスタ」の1階にある。「ESTA」と
いう名称は、スペイン語の「駅」を意味する ESTACIONの短縮形で、
Enjoy Shopping Terminal Areaの頭文字となっている。2、3階がシ
ョップで4階がレストラン街、5階から11階までが富山地鉄ホテルと
なっている。
富山地方鉄道の列車のほとんどがここを起点としているため、朝晩は
ローカル私鉄には珍しく、ひっきりなしに電車の発着が見られる。ホー
ムは櫛形3面4線で改札口から見て右から1番、2番、3番、4番とな
っている。線番ごとに行き先は決まっておらず到着した列車が折り返す
格好になっている。
折り返さない場合は駅に列車を置くスペースが無いので近くの稲荷町
車輌基地へ回送される。回送車両の運転は稲荷町車両基地の職員が行い
車両基地へ戻るとき、戻る回送列車が無い場合は定期列車を利用する。
駅窓口は廃止され、鉄道線の切符は券売機で購入する。駅入口に富山
地鉄乗車券センターがあり、定期券、各種フリー乗車券、高速バスの指
定席乗車券、各種記念切符を発売している。 駅前には富山市内各地への路線バス乗り場があり、駅前の通りには市
内軌道線の電鉄富山駅エスタ前電停がある。
| 電鉄富山駅は1914(大正3)年6月に富山軽便鉄道の駅として誕生
している。
富山軽便鉄道は富山−笹津間17.6kmの路線で、国鉄高山線
が開通して業績不振となり、現南富山−笹津間を廃止して富南鉄道とな
った。この区間は現在の不二越線として残
っている。
1931(昭和6)年に富山電鉄の路線が滑川まで開通して駅名が電鉄
富山となった。稲荷町までは富南鉄道の線路と、富山電鉄の線路が平行
して走る格好になっていたため、この区間は現在複線区間になっている。
2012年3月17日にICカード「ecomayca」の鉄道線で
の利用が開始され、ICカード専用の自動改札機が設置さ
れた。
地鉄乗車券センター隣のANAツアーショップがあったが、新幹線開
業による利用客の減少では2018年9月に駅北の富山地鉄サービス旅
行部内へ縮小移転した。跡地は地鉄乗車券センターが拡張され、アイス クリームのホブソンズが出店した。
2022年から電鉄富山駅と本線の高架化工事が本格化し、駅の高架 化のため仮線が設けられ、旧3、4番線の場所が高架線となる。
ホームは50m先へ移動した。通勤通学時間帯は縦列停車で対応する。 1、2番ホームの稲荷町駅側に縦列停車用の3、4番ホームが設けられ
ている。高架線完成後も、この状態のまま高架に移動する。4線が2線 になったため、稲荷町駅への待避回送列車が多くなっている。 |