2024/02/28 更新
 加越能バスは高岡市を中心とした富山県西部に路線網があり、高岡市も含めて乗客が減少し続けている。砺波地方の散居村は有名だが、散居村では
隣の家まで100mくらい距離があり公共交通を利用しにくい環境になっている。
 砺波、小矢部地方の農家の場合、成人(18歳以上)の数だけ自家用車があり、それプラス農耕用の軽トラックが必ずあるといった状態で、路線バスは
利用者減少から廃線になり自治体バスに転換されている。最も大きいバスターミナルは高岡駅前。路線バスの塗装をよく変える会社が多い中、加越能
バスは30年前からほとんど変わっていないが、最近は緑色のノンステップバスが多くなり、2024年2月26日時点で高速バスを除く路線バスは
48台中、45台がノンステップバスとなった。旧塗装の2ステップバスは3台のみとなり、消滅も時間の問題となった。


1970    ショッピングセンター「いとはん・ユニー」があった


2016/12/21
 1970(昭和45)年の高岡駅前、加越能バスの塗装は変わっていない。右側のバスは富山地鉄バス10系統の特急専用車。乗り合いバスが冷房
されていない当時、冷房バスは好評だった。
 私が某大学を卒業して初めてマイカーを手に入れたのも、1970年で、これを境に公共交通の乗客は減少の一途をたどり、それにつれて高岡の商
店街も衰退していった。駅南側に広い平面駐車場を備えたスーパーマーケットが進出し、マイカー時代に突入した。鉄道に比べ、マイカーと競合する
バスの落ち込みが激しい。
 加越能バスでもイオンモール高岡への路線バスは中学生や高校生の利用が多い。2017年に加越能バスが受託運行していた高岡市コミュニティバ
スが利用低迷と財政難で廃止された。

バス部分拡大

旧塗装の2ステップバス 末広町

日野自動車製の大型ノンステップバス  新高岡駅南口
  

大都市圏からの大型三菱製中古ノンステップバス    新高岡駅南口
  
高岡駅北口バスターミナル  

高岡駅北口バスターミナル

4番のりば氷見方面

1番のりば富山地方鉄道バス10系統富山駅前行き
  

7番のりば世界遺産バス 五箇山・白川郷行き
  
新高岡駅前バスターミナル

停車中の高岡駅前行き

新高岡駅南口バスターミナル待合室  

停車中の高岡駅前行き
  

発車した高岡駅前行き
  
一般路線バス

最も多く導入されている日野自動車製の中・大型ノンステップバス

三菱製小型ノンステップバス

桜馬場通りを走る日野製中型ノンステップバス
  

2024年2月に2台導入された日野製中型ノンステップバス
行き先表示が液晶化された          画像:加越能バスから

あいの風とやま鉄道石動駅前   三菱中古大型ノンステップバス

あいの風とやま鉄道石動駅前  日野大型ノンステップバス

南砺−金沢線の三菱製中型ノンステップバス 金沢駅西口

三菱製小型ノンステップバス  高岡駅南口

三菱製中型ノンステップバス  高岡駅前
  

日野製小型ノンステップバス  ポンチョ  高岡駅前
  
 病院通いや見舞いの老人利用が多い加越能バス。高岡市の旧市内にあって最も利用者の多い厚生連高岡病院はJR高岡駅前から低料金の自前のバス
を100円で運行していたが値上げされ、大人150円、小学生70円となっている。2023年4月に新車に入れ替えられワンマン運転となった。
ナンバーは元のナンバーを引き継いでいる。加越能バスは高岡駅から厚生連高岡病院まで160円となっている。現在はほとんどがノンステップバス
で運行されている。

砺波総合病院行き  JR砺波駅前
  

厚生連高岡病院の有料送迎バス ノンステップバス 厚生連高岡病院
  
高速路線バス
加越能バスの高速バスは3路線が運行されている。

@名古屋線(単独運行)

A金沢線(
単独運行)
B高山線(イルカ交通、濃飛バス

名古屋線は氷見番屋街発で、砺波まで一般道を走り、途中、高岡駅前、イオンモール口、戸出、砺波駅南にバス停がある。砺波ICより北陸自動車道、
小矢部JCから東海北陸自動車道へ入る。
金沢線は本社のある職業安定所前が始発で、途中こまめに停車する。砺波ICより北陸自動車道へ入り、金沢東ICを出て金沢駅東口経由兼六園下行
き。

金沢線 金沢駅西口
  

名古屋線 末広町電停前
  
世界遺産バス
 北陸新幹線金沢延伸以前は1日4便の白川郷行きがあったが、以後は高岡IC−福光IC間は能越道−東海北陸自動車道を走り城端駅前から乗降が
あれば各バス停に停車する。1日5便が観光バスタイプの車両で運行されている。新高岡駅に停車するが高岡駅−新高岡間のみの乗車はできない。
 路線バスタイプの車両で城端駅前発白川郷行きが、平日1便、土・休日と盆・正月に4便運行されている。

城端別院善徳寺付近を走る高岡駅前行き
  

城端駅前発白川郷行きと南砺市営バス
   
わくライナー
 北陸新幹線新高岡駅の利用促進のため設定された路線で、観光バスタイプの車両で1日4便運行されている。高岡駅前始発で新高岡駅経由高岡IC−
氷見IC間能越道を走り、一般道を氷見番屋街、ひみ阿尾の浦温泉、岩井戸温泉経由で灘浦IC−七尾城山IC間能越道を走り途中、七尾駅前、和倉
温泉会館前経由和倉温泉(美湾荘付近)行き。

高岡駅前北口バスターミナル7番のりばの わくライナー
  

阿尾城跡から ひみ阿尾の浦温泉
  
氷見市コミュニティーバス
 加越能バスは2012年10月1日から氷見市の氷見市街地周遊バス「ひみ番屋街線」の受託運行を開始した。氷見市街地周遊バスは観光客メイン
で氷見市民病院やショッピングセンターを結ぶ福祉バスも兼ねている。運賃は100円で、観光客にも気軽に利用できる料金となっている。加越能鉄
道は氷見市街地周遊バス運行開始に合わせて、併行区間の同社路線バスの運賃を190円・200円を100円に値下げしたが、初乗りは160円に
値上げされている。万葉線の初乗り運賃が150円から200円に値上げされたため。
 車両には、氷見市出身の漫画家藤子不二雄Aさんの「怪物くん」のキャラクターが描かれたラッピングバスが使用されている。検修時は普通塗装の
同型車が使用される。
 ラッピングは車両の内外に主人公の怪物くんと友達のヒロシ、お供のドラキュラ、オオカミ男、フランケンが勢ぞろいし、楽しい雰囲気を伝えてい
る。車内には、富山湾越しに見える立山連峰や氷見ブリ、藤子不二雄Aさんの生家である光禅寺など観光名所や名物の写真も掲示されている。藤子不
二雄Aさん生家光禅寺へは氷見中央バス停から徒歩2分。
 10月1日にオープンした「ひみ番屋街線」は東京方面から和倉温泉へ向かう途中にあり、観光バスの立ち寄りが多く、連日大勢の観光客で賑わっ
ている。富山地方鉄道は富山駅前から番屋街まで「ぶりかにバス」を運行している。

氷見市街地周遊バス「ひみ番屋街線」   JR氷見駅前

氷見市街地周遊バス「ひみ番屋街線」   ひみ番屋街

観光バス駐車場から「ひみ番屋街」

ひみ番屋街内部

藤子不二雄A氏の生家光禅寺山門
  

藤子不二雄A氏の生家光禅寺本堂とキャラクターの石像
  
加越能観光バス
 加越能バスは約50台の貸切バスを保有する富山県内大手の観光バス事業者である。バスの塗装はグループ会社の富山地鉄観光バスと似ていたが、
新たに導入されるものからデザインが異なっている。更に地鉄グループの観光バス運用効率化で、富山地方鉄道や富山観光と同じデザインとなった。
社名表記のみ異なる。

加越能観光独自塗装  富山駅北口

加越能観光独自塗装  富山駅南口

地鉄グループ共通塗装   射水市クロスベイ新湊駐車場
  

旧塗装 末広町
  
加越能バス本社
 加越能バスは高岡市江尻にある。加越能バスの営業所は江尻本社の他に氷見自動車営業所、砺波自動車営業所がある。本社前に高岡公共職業安定所
(ハローワーク)があり、高速バス金沢線は公共職業安定所前が始発になっている。

加越能バス本社

本社前の給油所

左側に立山、中央に薬師岳が見える 車庫と氷見線の間で大規模宅地開発が行われている