2022/05/07
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能美市、2005年2月1日に松任市と能美郡の根上町、寺井町、辰口町が合併して発足した。2024年3月にIRいしかわ鉄道に移管される、 JR北陸本線の駅は能美根上駅だけであるが、この駅は根上町にあるのに寺井駅を名乗っていた。北陸新幹線が金沢へ延伸された2015年3月14
日に駅名が変更された。
元メジャーリーグ選手の松井秀喜氏の出身地である根上町、九谷焼や古墳群で有名な寺井町、辰口温泉といしかわ動物園の所在地として知られる辰
口町、旧能美郡にあった3町が合併して発足し、能美郡は消滅した。
能美市の寺井地区は九谷焼の産地として有名。九谷焼の歴史は、江戸時代前期の1655年ごろにさかのぼる。加賀の支藩、大聖寺藩の初代藩主・
前田利治が、領内の九谷(九谷ダムの更に奥の加賀市山中温泉九谷町)の金山で陶石が発見されたのに着目し、金山で錬金の役を務めていた後藤才次
郎に命じて肥前有田で製陶を学ばせたのが始まり。わずか100年たらずで突然廃窯。この100年間に焼かれたものは現在「古九谷」と呼ばれてい
る。 能美市寺井地区は江戸後期から現在に至るまで、色絵磁器の代表ともいえる九谷焼の中心的な産地となった。
その拠点となる陶芸村には、九谷焼の歴史や製法を学べる能美市九谷焼美術館「五彩館」、1996年に九谷焼作家として初めてとなる文化勲章を
受章した浅蔵五十吉氏の作品を収蔵する能美市九谷焼美術館「浅蔵五十吉記念館」、作陶体験ができる能美市九谷焼美術館「体験館」、そして職人育
成のための能美市九谷焼美術館「職人工房」と九谷焼窯元のの販売店が並ぶ販売棟で構成されている。根上駅ではなく寺井駅になったのも寺井の九谷
焼が有名だったのも一因か。
辰口地区には、金沢ヘルスセンターで飼育されいた動物を引き継いだ、いしかわ動物園が移転してきた。いしかわ動物園は「楽しく遊び,学ぶ動物園」として約203種、4,000点の動物を飼育しており、世界三大珍獣とされるコビトカバやユキヒョウ、ホワイトタイガーなど、希少な動物たち
を公開している。また、2016年11月に「トキ里山館」がオープンし、特別天然記念物のトキを間近に観察できるようになった。
園内中央には、ビオトープ「メダカたちの池」があり、希少な水草類をはじめ、メダカやホトケドジョウなどが保存され、季節ごとにさまざまな昆
虫や動物たちが訪れる。郷土の水辺では、石川県の水辺の環境を上流から河口にわたって再現し県内に生息する淡水魚や両生類を飼育展示している。
辰口温泉は、開湯1400年の歴史を誇り、金沢から一番近い温泉地として親しまれている。現在宿泊施設3館と入浴施設1館が営業している。金
沢城本丸からの距離は金沢市内の湯涌温泉とほぼ同じ。
辰口地区の能美市旭台1丁目に1990年に開学した国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学がある。大学の西側の端を200m下ると長滝の七
ツ滝がある。かつては七ツの滝が連なっていたが、現在は用水路の改修で六滝になっている。駐車場前が六の滝で大学側が一の滝となっている。市道
から駐車場までは害獣除けのフェンスで囲まれており、道路も扉で閉ざされているが鍵は掛かっていない。訪れた人は責任を持って扉を閉める必要が
ある。能美市の2022年5月1日現在の総人口は49,652人となっている。
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