「立山連峰」は立山を中心とした山岳・峡谷の総称。剣岳・立山・薬師岳の山脈、黒部川を隔てて対岸の白馬岳・鹿島槍
ヶ岳など後立山連峰とそれに続く長野・岐阜・富山県境の三俣蓮華岳までの山脈、その間に位置する黒部川一帯を含む。
北アルプスや中部山岳国立公園の富山県の領域にほぼ一致する。狭義には後立山連峰と平行する剱岳・立山・薬師岳の山
脈を指すが、これを立山山脈とし、後立山連峰を白馬山脈、後立山山脈とする表現もある。
この一帯は世界有数の豪雪地帯であり、3000m級の山々がそびえる山岳地帯で、氷河時代からの動植物が生息する等
学術上貴重な自然や景観が残された地域でもある。中心となる立山は富士山や白山とともに古くから霊山とされ、信仰を
集めた。山麓から頂上に至る道筋には、数多くの文化遺産が残され、かっての名残をとどめる。特に立山黒部アルペンル
ートを利用しての立山登山が盛んである。又、剱岳は近代アルピニズムの舞台として数々のドラマを生み、多くのクライ
マーの憧れとなっている。立山連峰の景観は、富山県を代表するものとして県内のみならず日本全国から広い共感を得て
いる。とりわけ富山市呉羽山付近からの展望は、雨晴海岸とともに代表的なもの。県内各地からはそれぞれ個性あふれる
景観に恵まれる。東部の朝日町・入善町からは、朝日岳・白馬岳の山並みが中心となる。黒部市、魚津市からの僧ヶ岳は
堂々たる山容で、富山市水橋付近からは毛勝三山が剱岳と並び立つほどに高い。富山市から高岡市方面へ退くにつれては
後立山連峰の山々が再び姿を現す。朝日町・立山町が山名を冠するように山嶺の人々が山に寄せる思いは格別のもの。
冠雪の立山連峰(最終撮影日・2013年2月26日)
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