松川・富山市内の旧神通川廃川跡を流れる川(流長約2.6km)。旧神通川は現在の県庁の北側を曲流していたので水害
が多く、明治34年(1901)の馳越工事(堤防決壊対策工事)で真っすぐに付け替えられた。曲流していた廃川敷は
昭和初期に埋め立てられ、昭和10年(1935)に県庁、11年に電気ビルなどが建てられた。松川はその旧河川跡を
流れている。有沢からの宮田川と西田地方からの冷川とが、布施の万寿橋付近で合流し松川となり、電気ビル東側の今木
橋付近でいたち川と合流、神通川に注ぐ。松川べりは市内で最も見事な桜の名所として知られており、四季を通じて市民
が散策できる憩いの場を目指し平成4年から県の河川整備事業が進められてきた。遊覧観光船が運航している。
撮影日・2011年4月14日

松川べりのさくら満開(2011年4月14日) 松川べりのさくら満開
松川べりのさくら 松川べりのさくら・富山市役所
松川べりのさくら満開(いたち川との合流点) 観光船は合流点でUターン
いたち川のさくら満開 いたち川のさくら満開
景雲橋 松川を運航する観光船 富山市内・左前方ビルは北日本新聞社


越中新川郡富山町にあった平城。富山藩歴代藩主13代の居城となる。1532年(天文1)水越越前守勝重(のちの神
保長職)が築城し、神保氏3代が居城。次いで上杉謙信が支配する。81年(天正9)佐々成政が織田信長の命で越中に
派遣され居城。85年羽柴(豊臣)秀吉が自ら成政征伐のため越中に出陣し、成政の降伏を入れて射水、婦負、砺波郡を前
田利長に与える。87年秀吉は成政を肥後(現熊本県)に転封し、新川郡を前田利家に預けるが、95年(文禄4)に加
封した。利長は97年(慶長2)まで射水郡守山城にいたが、同年富山城に移る。99年利家が死去すると、利長は金沢
城に入り前田直知・長種を富山城に置く。1605年利長は封を弟利常に譲り富山城に隠居、大改修する。だが09年3月
の富山大火で城が焼失。利長は魚津城に移り幕府の許可を得て高岡城を築いて移った。
39年(寛永16)前田利常は次男利次に富山10万石を分封。利次は婦負郡百塚山に築城を計画するが、成らないまま
宗家から富山城を借りて翌年移る。59年(万治2)領替えによって富山町とその近郊が富山藩領となる。利次は富山居
城を決め、幕府に修復を願い出て61年(寛文1)許可を受けた。富山城は天守閣を置き。櫓3カ所・2階門3カ所・冠木
門7カ所・木戸7カ所を建て、4カ所の石垣破壊場所を修復本丸・二の丸・西の丸・三の曲輪の土居に掛塀を構え、惣構
の東西南三方の堀を拡大し、東出丸の堀を東方に移す。この改修は旧城を原型としていたことがわかる。延宝3年の大火、
正徳4年の本丸火災、安政2年、文久2年の大火に罹災、その都度復興される。同城に関する図面や絵画類はほとんど残っ
ていない。現在ある天守閣は1954年(昭和29)の富山産業大博覧会のシンボル館として建設され、その後富山市郷土
博物館となる。

富山城 富山城とさくら 富山城石垣とさくら
富山城とさくら 富山城(富山市郷土博物館)


中島閘門・富岩運河の建設に合わせて、昭和9年(1934)、運河の中央に上流と下流の水位差2.5mを調整する中島
閘門が設置され、船が運河を上り下りする際の運航を助けてきた。平成10年(1998)には昭和の土木構造物では初
めて、国指定重要文化財に選定される。
富岩運河誕生の背景
神通川に平行して建設された、富山港とJR富山駅北を結ぶ、約全長5.1kmの運河。かって神通川は、市中心部で大きく
曲がっていたので氾濫しやすく、街は毎年のように浸水被害に遭っていました。このため富山県は明治34年(1901)
に、蛇行区間の西側に細い水路を設け、洪水のたびに少し筒ずつ川の流れを広げる「馳越線工事」が開始される。その結
果、大正11年(1922)頃に馳越線工事による水路が本流となり、現在の神通川となりました。しかし、工事によっ
て市街地には広大な廃川地(河原跡)が残された形となっていたため、市街地を分断し、近代都市としての発展に大きな
障害となっていた。そこで富山駅北から東岩瀬港の間に新しく富岩運河を開削し、運河を掘った土砂で神通川の廃川地を
埋め立てて、新市街地をつくる整備が行われた。富岩運河は昭和5年(1930)に建設をはじめ、昭和10年に完成した。

中島閘門(国指定重要文化財) 富岩運河を運航するソーラー船 富岩運河のさくら
富岩運河環水公園 富岩運河環水公園
富岩運河環水公園・天門橋 富岩運河環水公園
中島閘門(国指定重要文化財) 中島閘門(国指定重要文化財)

                                                                        
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資料
地元発行の観光パンフレット・案内表示板・HP等
富山大百科事典 1994年(平成6年)初版発行  発行所 北日本新聞社