「黒部川は」、北アルプスの鷲羽岳に源を発し、下流で扇状地を形成し日本海へと流れる急流河川である。上流のV字状の険
しい地形は古くから人を寄せ付けなかった。黒部川は水力発電に適した豊富な水量と落差を有しており、大正末期から水
力発電が次々と造られていった。柳川原発電所に始まり、戦前の愛本発電所、黒部川第二発電所、黒部川第二発電所を経
て戦後高度経済成長期の「くろよん」として有名な黒部川第四発電所へと展開。2001年(平成13)に完成した宇奈
月ダム。うなづき湖は四季を通じて素晴らしい景観を探勝できる。
「宇奈月温泉」、黒部市宇奈月温泉にある富山県最大の温泉地。黒部峡谷の入口で黒部川左岸の河岸段丘に立地し、上流約
7kmの黒薙温泉から引湯している。泉質はアルカリ性単純泉で、神経質や筋肉痛、消化器病などに効用がある。泉源の
黒薙温泉では泉温98〜100度、毎分2500リットル湧き出し、宇奈月温泉での泉温は約65度。1917年(大正
6)に黒薙温泉から内山まで引湯し、愛本温泉として一般湯治客に利用されたのが始まり。現在の宇奈月温泉の地は、か
っては桃原と呼ばれた無人の台地であったが、黒部川電源開発計画が進められると、23年に改良を重ねて熱湯の引湯に
成功し、宇奈月温泉が誕生。電源開発・観光開発とともに発展してきた。1946年(昭和21)には大火で温泉街の大
部分を焼失したが、その後近代的な温泉街に生まれ変わった。18軒の温泉旅館・ホテルと、11軒の官民の保養施設な
どが立ち並び、約5千人が宿泊できる北陸の代表的な温泉地の一つになっている。交通は富山地方鉄道の黒部線が宇奈月
駅まで乗り入れており、黒部峡谷探訪の黒部峡谷鉄道のトロッコ電車の出発点でもある。北陸自動車道の黒部インターか
らは15分。新緑から紅葉の季節は特に賑わう。
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