小矢部川系支流子撫川は福岡町(現高岡市)と小矢部市を流れる流長19.8km。福岡町北西宝達山から東に延びる山系の502mをピークに最上流端として集水、沢川で流路を形成する。五位山を南流して小矢部市に入ると稲葉山の北面を曲流しながら宮島峡を下り、西中野で小矢部川に合流する。
宮島峡の上流、森屋に1978年(昭和53)ロックフイル式の子撫川ダムが完成して、小矢部市・高岡市への上水道給水や洪水洪水調節をする。子撫川は落差があり、所々に滝となっている。一の滝、二の滝、竜宮渕(三の滝)と巡り、更に道を登っていくと、子撫川ロックフイルダムに到着する。
この辺りは清流と緑の宮島峡のキャッチフレーズは水の里である。一の滝の川幅いっぱいに流れ落ちる様子は絶景。滝下にある大小のポットホール群は、県指定天然記念物となっている。
昔から湖・渕には伝説が数多く生まれ、ふるさとの歴史とともに伝えられてきた。この竜宮渕には、竜神が棲みひとびとの命を守る霊渕であると古くからいい伝えられ、土地のひとびとは篤くこれをうやまい、また旱魃(かんばつ)の時には雨乞いの祈りをしたという(表示板抜粋)。
子撫川ダムの上流部は河積が狭く、下流部は屈曲甚だしいので従来しばしば大災害を蒙っていた。一方下流域耕地は夏季渇水期には例年水不足に悩まされており、加えて周辺都市への人口集中増加と地下水位の低下による水道用水の需要増大とその確保に対して抜本的対策の実施が強く望まれていた。
このような状況に対処するために、富山県は子撫川総合開発の一環として、昭和47年小矢部市森屋地内に多目的ダムの建設に着手する。ダムサイトの地質は、新第3世紀中新統の砂岩と泥岩で構成されており、ほぼ水平層をなしている。このような地質では、ダムの型式は水圧による荷重を広く地山に分散させるロックフイルダムが最も適しているとされる。堤体に必要な原石は西方6kmの石川県津幡町木ノ窪地内に求め昭和53年6月完成をみた。
小矢部市の北部に位置する稲葉山は肉乳牛の放牧場だけでなく遊園地、売店、動物広場などが設けられ、自然の中の憩いの場所である(バーベキュー施設もある)。標高346mの山頂からは、小矢部市が一望できる。
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