三国港駅舎	到着したMC6110＋MC6108
三国港駅は国鉄三国線（金津−三国港間）の駅として１９１１（明治 44）年１２月１５日に開業した。芦原温泉や東尋坊への観光路線だった ため戦時中の不要不急路線の廃止政策により国鉄三国線が廃止された。 　１９４４(昭和１９)年に京福電鉄が三国−三国港間１kmを国鉄から 借り電化して同年１０月１１日に京福電鉄三国芦原線の一部として復活 した。 　国鉄三国線も戦後の１９４６(昭和２１)年に金津−芦原間が復活した が１９４７(昭和４７)年廃止となり、京福電鉄に貸して休止扱いとなっ ていた芦原−三国港間もこの時、廃止となり京福電鉄の駅となった。 　２００３年８月１０日にえちぜん鉄道の駅として開業した。 　ホームは片面で無人駅。元国鉄の駅でホームは長い。港側の駐車場の 間にかつてのホームの遺構が残っていたが駅舎改修時に海側の側線１本 とともに撤去され、駐車場の歩道となった。一部１０ｍくらいが遺構と して残され、解説ブロックが置かれている。 　毎年８月に行なわれる北陸最大の「三国花火大会」見物輸送のため福 井からの臨時列車が多数運行される。 　観光客の利用が多いことから、休日の９時〜１６時まで委託駅員が配 置されている。 　２０１０年３月に駅舎が改築された。駅舎に続いてあった運転士の宿 舎は取り壊され、三国駅側に独立した建物として新築され駅舎側は坂井 市の展示スペースと展望台になっている。旧宿舎跡にはトイレが設置さ れた。 　駐車場の三国駅側に海鮮料理店「蟹の坊」があり、高さ３ｍ、幅７ｍ の巨大な蟹のディスプレーが人目を引く。	えちぜん蟹を忠実に再現した物で三国産を示すタグも再現されており 制作費は約１０００万円。 　また、店内からは食事をしながら三国港駅に発着する列車を眺めるこ とができる。 　三国芦原線は朝、福井へ向けての片方向輸送のため、福井からの始発 電車が到着する前に３列車が発車するので、ここに３列車と運転士が駐 泊する。夜は逆で終電が発車した後、福井からの３列車が到着する。 　駅の三国駅側に眼鏡橋がある、線路の上を通る道路が傾斜しているた め、煉瓦をねじまげたように積む珍しい工法が採用され、国の登録有形 文化財に指定されている。欄干部分は老朽化から金属製に改修されたが 欄干から外された銘板が運転士宿舎前に展示されている。 　駅近くに京福バスのバス停があり、えちぜん鉄道三国駅前から東尋坊 方面へほぼ１時間に１本のバスが運行され、東尋坊から松島水族館を経 由してＪＲ芦原温泉駅行きとなる。３月から１２月までの休日はＪＲ芦 原温泉駅始発の循環線となっている。 　駅側には６０分間駐車できる駐車場があるがパークアンドライド用の 駐車場はない。パークアンドライド用は隣の三国駅に用意されている。 駅を降りるとすぐ九頭竜川河口の三国港がある。 　港の対岸には北陸電力福井火力発電所２５万kWがある。　河口の駅 側は漁市場になっており、市場では越前カニなどのセリが行なわれる。 　三国海水浴場も近くにあり、駅から４００ｍのところに「三国温泉ゆ あぽーと」がある。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩温泉 で料金は大人５００円、３才〜小学生２００円で入浴時間は１０時から ２３時まで、毎月第３水曜日休館。
漁協裏から三国温泉「ゆあぽーと」	「ゆあぽーと」からの夕陽
駐車場から三国港駅	大型漁船が並ぶ三国漁港