五百石駅舎が入る立山町元気創造館	停車中の10030系普通立山行き
富山地方鉄道初代社長、佐伯宗義氏は立山町出身で立派な駅舎があっ たが、元気創造館建設のため惜しまれつつ取り壊された。佐伯宗義氏は 立山町芦峅寺の出身で、富山県一市街化という雄大な構想を描いて富山 地方鉄道の前身である富山電気鉄道の経営にあたった。 　佐伯宗義氏は富山電気鉄道を興す前、福島県で深刻な経営難に陥って いた信達軌道(現福島交通)を僅か３年で乗客４倍、１割配当のできる会 社に再生させた。富山地方鉄道立山線の駅は有峰口と本宮以外は立山町 にあり、本線を合わせると１３駅が立山町内にある。 　五百石駅は１９１３(大正２)年６月２５日に開業した。富山県で中越 鉄道に次いで２番目の鉄道路線である立山軽便鉄道が滑川駅から上市駅 を経て、五百石駅までを開通させたのに伴い終着駅として開業した。開 業当初の駅名は五百石駅、立山軽便鉄道は軌間７６２mmのナローゲー ジの軽便鉄道であった。 　立山軽便鉄道は１９１７(大正６)年に立山鉄道に改称される。立山鉄 道は１９２１(大正１０)年、立山駅(現在の岩峅寺駅附近)までを開通さ せた。立山鉄道は１９３１(昭和６)年に富山電気鉄道に合併となり、富 山電気鉄道の駅となった。１９３６(昭和１１)年に五百石駅から立山駅 までが１０６７mmへ改軌、電化される。 　１９４３(昭和１８)年１月１日に陸上交通事業調整法による富山県内 の私鉄の合併により富山地方鉄道の駅となった　その後１ ９５９(昭和 ３４)年１月に立山町駅に改称なったが、立山山麓の千寿ケ原駅が立山	駅に改称されたのに伴い１９７０(昭和４５)年７月に五百石駅に戻され た。ホームは相対式２面２線で、立山線の寺田駅から岩峅寺駅までの間 では、唯一の行き違い可能駅。各ホームと駅舎は、警報機遮断機付の構 内踏み切りで結ばれている。駅舎側が２番線で岩峅寺・立山方面、構内 踏切を渡った１番線が寺田・電鉄富山方面となっている。ホームは２０ ０８年に改修され、バリアフリー化された。 　旧駅舎は１９１３(大正２)年に建てられた木造駅舎で左右対称のデザ イン。駅舎の内部は広く、懐かしい木製ベンチが置かれ、出札口や改札 のほか、自動券売機、飲料の自販機が設置されていた。駅舎傍にあった 大木が台風で倒れ駅舎の一部が損壊して駅舎修復時に伐採された。 　旧駅舎跡地に立山町の元気創造館「みらいぶ」が建設され、２０１２ 年６月１日にオープンし、五百石駅も仮駅舎から移動した。 　元気創造館は図書館や町民交流センターなどが一体化した施設で、点 在していた町の施設が一箇所にまとめられた。 　駅から３００ｍの所に立山町役場、５００ｍの所に富山県立雄山高校 があり、終日依託駅員が配置されている。ＩＣカードのチャージ機は設 置されていないが、窓口でパソコン端末でチャージしてもらえる。窓口 の営業時間は７時１５分から１９時(休日１８時３０分)となっている。 　駅北側には再生紙製造販売の立山製紙工場があり近くに立山町庁舎、 町民会館など町の施設がある。南側には立山町の支店を統合した、ＪＡ アルプス立山支店がある。
構内踏切からホーム	到着する14760系電鉄富山行き
立山町元気創造館	元気創造館３階から立山町庁舎