2017/07/26 更新
 北陸本線は、滋賀県米原市の米原駅から石川県金沢市の金沢駅までの176.6kmを結び全線JR西日本(西日本旅客鉄道)が運行する。日本
海に沿って関西と北陸・東北・北海道を結ぶ日本海縦貫線の一部を構成している。全線がICOCAエリアとなっている。
 北陸新幹線開業により第3セクター化された金沢−越中宮崎間でもICOCAなどのICカード乗車券が使用できる。


米原駅
    

近江塩津駅
    

新疋田駅
 
   

敦賀駅
   

 北陸本線は米原から建設を始め、1882(明治15)年3月10日に米原−金ヶ崎(現:敦賀港駅)間を開業した。1896(明治29)年7月
15日敦賀−福井間を延伸開業。1897(明治30)年9月20日に福井−小松間を延伸開業。1898(明治31)年4月1日小松−金沢間を
延伸開業。同年11月1日−金沢〜高岡間を延伸開業。
 1899(明治32)年3月20高岡−富山間を延伸開業
1908(明治41)年11月16日富山−魚津間を延伸開業1910(明治43)年
4月16日魚津−泊間を延伸開業。1911(明治44)年7月1日信越本線として直江津−名立間を開業。1912(明治45)年10月15日
泊−青海間を延伸開業。1912年12月16日信越本線名立−糸魚川間を延伸開業。
 1913(大正2)年4月1日青海−糸魚川間を開業し米原−直江津間が繋がり、信越本線糸魚川−直江津間を北陸本線に編入。
1969(昭和44)全線複線電化完成
1991(平成3)年9月14日田村−長浜間を交流電化から直流電化に変更2006(平成18)年9月
24日長浜−敦賀間を交流電化から直流電化に変更。
 2015年3月14日に北陸新幹線開業に伴い金沢−直江津間が第3セクター鉄道に移管された。


南今庄駅
    

湯尾駅
    

 旅客駅の数は米原、金沢を含め43駅で他に3駅の貨物専用駅がある。全線複線電化区間で米原−敦賀間が直流1500V、敦賀−金沢間が
交流20000V/60Hzでデッドセクションは敦賀−南今庄間にある。(金沢、富山貨物駅も北陸本線に含まれる)
 列車の最高速度は681・683系130km/h、521系120km/h、キハ120形は95km/hとなっている。
 駅のホームの高さは920mmで、最も床面の低い521系の1120mmに対して10cmの段差となっている。電車線区間の1100mm
にすると特急などのステップよりホームが高くなって危険なためステップ高さの920mmに押さえられている。521系導入時に920mm
に満たないホームは920mmに嵩上げされている。敦賀−米原間の特急が停車しない駅のホームは1100mmに嵩上げされている。


武生駅
    

福井駅
   

 並行する新幹線がないため、大阪・名古屋方面への特急列車が多数運転されている。大阪方面からの特急列車は湖西線を経由するが、強風な
どの影響により湖西線が不通になった場合、湖西線経由の特急も米原経由で運転される。


芦原温泉駅
    

加賀温泉駅
    

小松駅
     

金沢駅
     

 米原〜敦賀間は電化方式の違いにより北陸線ローカル列車は本数も少なく、東海道線との直通列車がほとんどなく不便であったが、地域を活
性化する手段として京阪神からの新快速の直通運転を滋賀県・長浜市が主体で計画し費用の地元負担により1991(平成3)年に米原−長浜間
が直流電化に転換された。
 運転本数増加と直通運転による利便性の向上は観光客の増加・地元人口の増加などの効果を呼び、大きな成果を上げた。その成功を受け、滋賀県が湖北地区活性化を、福井県と敦賀市が観光客誘致を目的に直流化を計画し、敦賀まで2006(平成18)年10月に直流へと電化方式が変更された。普通列車は金沢方面からは敦賀までとなり、滋賀県へ直通する列車は無くなった。
 北陸本線は日本海縦貫線の一部を形成していることから関西と北海道方面を結ぶ貨物輸送が盛んで、ほとんどの貨物列車は、EF510形電
気機関車の牽引するコンテナ車で編成された高速貨物列車である。北陸本線内のコンテナの取扱駅は、南福井貨物駅。IRいしかわ鉄道線内に金沢貨物ターミナル、あいの風とやま鉄道線内に富山貨物駅がある。

 
北陸本線を走る車両

 北陸本線では次の車両を見ることができる。681系(全線)
683系(全線)、125系(長浜−敦賀)221系(米原−長浜)223系(米原
−敦賀)、
225系(米原−敦賀)、521系(全線)
キハ120形(越前花堂−福井)。 その他EF510、DE10、DE15などの機関車が各
所で見られる。
  
681
 1992年に9両固定編成で試作車が登場し、1994年に登場した量産車で6+3の分割編成となり、試作編成も量産車に合わせて6+3
編成に改造されている。連続窓で、最高速度130km/hで金沢−大阪間の特急「サンダーバードと金沢−米原・名古屋間の特急
しらさぎ
用されている。北陸新幹線金沢延伸までは金沢−越後湯沢間で首都圏連絡特急「はくたか」で活躍した。


金沢駅に到着した「しらさぎ59号」
 
   

野々市駅を通過する「サンダーバード30号」大阪行き (増結車のみ)
 
   

683
 681系の後継車両として2001(平成13)年から導入された。681系からの変更点は車体を普通鋼製からアルミ合金製に変更した。こ
のため窓が連続窓から普通窓に変更になっている。窓周りを黒色塗装して連続窓に見せているので遠目に判らない。電動機出力は220kWか
ら、245kWに増強された。
 付属編成は両側の先頭車を貫通構造に変更し、付属編成を2本増結した最大12両編成が可能となった。2008年12月に落成した400
0番台では初めてシングルアームパンタグラフが採用された他、9両貫通編成で先頭車もすべて貫通型となっているが金沢側は取付準備仕様で
塞がれている。運転最高速度は130km/h。


鯖江駅を発車した特急「サンダーバード28」金沢行き
 
   

野々市駅を通過した「サンダーバード30号」大阪行き (基本編成)
 
   

521
 223系の交直両用版で、敦賀−金沢間の普通列車は、支線からの乗り入れ車を除き、すべて521系で運用されている。
運転最高速度120km/h。


野々市駅に到着する3次車敦賀行き
 
   

加賀笠間駅へ到着する2次車小松行き
 
   

223系 225系 221系
 大阪近郊区間の新快速に運用される車両で北陸本線は敦賀まで普通列車として4両編成で乗り入れて来る。221系快速列車は長浜までの乗
り入れとなっている。運転最高速度130km/h。


新疋田駅を発車した敦賀行き
 
   

敦賀駅へ到着する網干発列車
 
   

125
 小浜線用の車両だが長浜−敦賀、永原−敦賀間直流化で6両が投入された。導入費用は滋賀県と福井県が負担している。敦賀−長浜間、敦賀
−近江今津間の列車を中心に小浜線と共通運用されている。運転最高速度は120km/h。


敦賀駅で発車を待つ長浜行き
 
   

新疋田駅へ到着する長浜行き
 
   

キハ120
 ごく短区間の越前花堂−福井間で見られる。福井は越美北線からの乗入車で鋼製の200番台
。キハ120はトイレ無しで運用に入ったが、
乗客の不評から現在は全車両に改造工事でトイレが付けられた。運転最高速度95km/h


福井駅を発車したキハ120-1九頭竜湖行き
 
    

福井駅に到着するキハ120-4
 
    

EF510電気機関車
  全機JR貨物富山機関区に32両配置され、順次老朽化したEF81を置き換えている。日本海縦貫線の貨物列車に使用大阪貨物ターミナル
−青森信号場間で運用されているので北陸本線全線で見ることができる。JR東日本でも寝台列車用機関車の置き換えとして15両導入したが
寝台列車の廃止や常磐線の貨物がEH500へ変更されたため、全15両が富山機関区に移った。
出力3390kW/h     運転最高速度110km/h


高岡駅を通過するEF510−512
 
     

EF510−18 高岡−西高岡間
 
     

DD51 DE10ディーゼル機関車
 定期列車は無いが業務用列車で見ることができる。除雪用のDE15なども見られる。DE10はあいの風とやま鉄道線の富山貨物駅とJR
氷見線・新湊線の間に定期列車が存在する。


東金沢駅を通過する業務用列車
   

コンテナ貨物列車を牽引するJR貨物色 呉羽−小杉間