2003/07/19 部分開業 勝山永平寺線 福井−永平寺口 三国芦原線 福井−西長田間 2003年7月19日京福電気鉄道越前線を引き継いだ第3セクター鉄道のえちぜん鉄道が開業した。今回開通した区間は勝山永平寺線では 福井−永平寺口間、三国芦原線では福井−西長田間で、勝山永平寺線は10月5日、三国芦原線は三国花火大会が行なわれる8月10日に全線 開通する。 開業時の各車両には若い女性のアテンダントが乗り込み乗客のエスコートや乗車券の販売を行なっていた。車両には赤色のアテンダントのサ ボが取り付けられている。多分ワンマンのサボもあるのだろう。 有人駅には新しい端末が導入され、乗車券はラベルプリンターで印刷したものが使用されている。各駅では制服姿の女性駅員が目に付いた。 全国各地のローカル鉄道で進んでいる無人化に対して、えちぜん鉄道は人と人のふれあいを大切にしようと試みている。 運行車両は京福電鉄から引き継いだ車両が使用されている。開業当日本線上ではMC2201形、MC2101形、MC5001形を確認し た。塗装は全車、白、青、黄色のえちぜん鉄道色に塗り替えられている。座席のモケットはすべて取り替えられ普通席は青色、優先席は黄色で えちぜん鉄道の社章入りとなっている。MC2101形は安全対策からすべて2両編成で運行されている。なおMC2101形には非冷房の車 両がありサービスの格差がある。この後全線開業に向けて愛知環状鉄道の車両も入線することになっている。 当日は田原町−福井口−永平寺口−福井口−福井を乗車した。田原町−福井口間はMC2203単行で満席状態でアテンダントが2人乗って いた。福井口−永平寺口間はMC5001単行でカメラを持った多くの鉄道ファンが目立った。 遠く青森から来た人もいた。また孫を電車に乗せるために来た人も沢山見かけた。永平寺口−福井口間はMC2204単行で冷房がよく効い ていた。福井口−福井間はMC2101+MC2102の2連で非冷房車だった。最初窓が全部閉まっていたので簡易冷房装置を取り付けたの かと思ったが扇風機が回っていた。
記念乗車券は沿線各市町村の12枚が発行され、すでに完売の駅もあった。写真は三国町と永平寺町のもので後日えちぜん鉄道 から郵送で購入した物。 後日聞いた話では、えちぜん鉄道がアテンダントを導入したのは京福電鉄社員の接客態度があまりにも悪く乗客の反感をかっ ていたためということだった。また、有人駅に女性駅員が配置されたのも同様の理由からで運行業務のある福井駅や、福井口駅 を除いて女性駅員が配置されている。
えちぜん鉄道は10月19日に勝山まで全線開通した。三国芦原線は花火大会に間に合うように8月10日に全線開通していたので、全線乗 車が可能になった。この日は私が所属する富山レールクラブの「鉄道展」の撤収作業があり行けなかったので10月25日に行くことにしてい た。今回は1人で行くので福井までJRの普通列車を利用することにした。 小杉駅を8時36分発の528Mで出発した。この列車は泊発福井行きで結構ロングラン列車の部類にはいる。途中金沢と芦原温泉で特急に 追い越された。福井へは定刻の10時54分に到着。えちぜん鉄道ホームには11時ちょうど発の勝山行きMC5001が停車している。福井 駅の2番ホームにめったにお目にかかれない越美北線のキハ120形が停車していたのでそちらを撮影することにした。越美北線列車は1日9 往復しかないので今まで撮影したことはなかった。
えちぜん鉄道福井駅の窓口で1日フリーきっぷを購入する。この切符は大人800円で休日に限りえちぜん鉄道全線乗り放題の申し訳ないく らいお得な乗車券である。このきっぷ図柄は何種類かあり集めるのも楽しみなきっぷである。この日駅窓口で発売しているのとアテンダントが 車内で発売しているのは図柄が異なっていた。 ホームへ出ると三国港行きのMC2202が停車しており、後部入り口にアテンダントが立ち乗り込む乗客一人一人に挨拶をしている。11 時10分発の三国芦原線323列車は福井駅を定刻通り発車した。福井口駅で勝山永平寺線の福井行き列車が遅れているため、7分間停車。西 別院で326列車、西春江で328列車と交換、あわら湯のまちで330列車と交換した。上り列車も遅れているらしい。7分遅れの12時2 分三国港駅到着。
三国港駅には団体客が大勢待っていた。車椅子の人も何人かいる。MC2202はすし詰め状態で定刻通り発車して行った。HPの北陸の駅 シリーズのために写真を駅舎や駅周辺ので撮った。この日はえちぜん鉄道のスタンプラリーが行なわれており、親子連れの乗客が多かった。 三国港発12時27分着の325列車MC2204が4分遅れて到着し12時38分発の334列車として福井へ向かう。列車無線から下り 列車の遅れから、あわら湯まちでの交換が本荘交換に変更すると聞こえてきた。運転士が車内放送で「本荘行き違いに変更します」と案内があ った。 327列車と交換する。西春江で329列車と交換する。西別院で331列車と交換する。13時23分福井口で勝山行きに乗るため下車。 三国から乗務していたアテンダントもここで降りた。
福井口で勝山行きを待っていると先ほどまで勝山永平寺線を走っていた新鋭のMC6002が福井方向から回送で走ってきた。福井方からは 直接車庫へ入れないため、一旦2番線に入りスイッチバックして入庫して行った。 福井口13時34分発の勝山行きはMC6001だった。MC6001形はえちぜん鉄道では唯一のクロスシート車でモケットがすべて張り 返られ新車のような感じがする。エアサスのおかげで揺れは少なく静かである。「この電車静か過ぎる」と子供の声がする。後で判ったが15 00V用モーターを600Vで使用しているのも影響している。 永平寺口では半分くらいが下車し、永平寺へのバス乗り場へ向かう。途中の乗降は少なく、ほとんどが終点勝山まで乗車した。下志比から比 島まですべて無人駅だった。133列車は小舟渡通過列車である。小舟渡に停車する列車は保田、比島を通過するダイヤになっている。 勝山駅14時26分到着。ホームには沢山の人が待っていた。三国港と異なり勝山での停車時間は短く3分である。ここでもHP北陸の駅シ リーズのために駅舎や駅周辺の写真を撮った。
勝山14時54分発の144列車はMC2101+MC2102の2両編成だったが、先の列車は満員だったがこの列車は乗客が少なく勝山 からの乗車は10人くらいだった。MC2101形はブレーキ構造から2両編成でないと運行許可が出ないらしい。 アテンダントが途中の無人駅から乗った乗客に切符を発売して歩く。往復800円以上の区間の乗客には帰りも乗車するか尋ねて、往復利用 の場合はフリー乗車券を奨めている。MC2101+MC2102は台車がK−16からFS−107に交換されており揺れは以前ほどではな かった。 勝山永平寺線では越前新保、永平寺口、越前竹原で交換が行なわれる。福井15時48分着。JRのホームで越前そばを食べ、363Mで小 杉へ戻った。この列車は福井−小杉間124.7kmを2時間10分で結ぶ。評定速度は57.5kmで某線の特急列車より速い。