木曽川水系揖斐川　徳山ダム 徳山湖                        　2020/07/27 更新
 
　岐阜県揖斐川町徳山にある徳山ダムは、堰堤は中央心遮水壁型ロックフィル式で独立行政法人水資源機構が管理する洪水調節、流水確保(潅漑)、発電、新規利水の４つの目的を持つ多目的ダム。
　ダム湖は推定に沈んだ徳山村にちなみ徳山湖と命名された。ダム湖の総貯水量６６０,０００,０００m³、有効貯水量は３８０,４００,０００m³。堤体体積は約１３,７００,０００m³。総貯水量、堤体体積は日本一、堰堤の高さは１６１ｍあり、黒部ダム、高瀬ダムに次いで第３位。　常用洪水吐はオリフィスラジアルゲートが２門、非常用洪水吐はクレストラジアルゲートが４門。非常用洪水吐ケートは幅１３.４ｍ、高さ１０.９５ｍと巨大。水位低下用放流設備から河川維持水の放流が行えるため、通常洪水吐からの放水は観光放水(５月の大型連休と８月の旧盆)のみ。
　発電は中部電力が堰堤直下の徳山発電所で最大出力１５３,０００kW。最初は最大出力４０万kWの揚水発電所が計画されていたが、電力需要の減少から縮小されてた。計画では下流に下池の杉原ダムを建設して揚水発電を行う計画だった。
　徳山ダムは１９５７年の計画指定から２００８年の運用開始まで５１年間を要している。徳山村(昭和６２年廃村により藤橋村に編入)全体が湖底に沈むことになることから猛烈な反対運動が起き補償交渉が長期化した。
　巨大なダム湖の管理には石田造船で造られた１９トンの両頭型フェリーボート「とくまる」が使用されている。通常台船を従えて作業しているが、単独で遊覧船として使用されている。旅客定員は約５０人。
　湖面に国道４１７号線の徳之山八徳大橋が架かっており、橋から少し上流の右岸にレストラン、宿泊施設を備えた徳山会館がある。徳山会館の堰堤側に沈んだ村から移設された記念碑が立っている。その中に文芸劇映画「ふるさと」の記念碑もある。徳之山八徳大橋の八徳は湖底に沈んだ徳山(本郷)、戸入、櫨原、上開田、下開田、山手、門入、塚の徳山村の８つの集落に由来する。
　揖斐川町では４月から１１月の土曜、日曜などに「日本一の徳山ダムと谷汲ゆり園観光周遊バス・徳山ダム号」を運行している。徳山ダムではダムサイト公園で水資源機構職員による解説がある。徳山ダムの他、谷汲ゆり園、谷汲山華頭厳寺を巡る。養老鉄道大垣駅発着で揖斐駅にも立ち寄る。参加費はバスガイド付きで１０００円、小学生５００円で定員は４５名で予約制。運行は名阪近鉄バス。問い合わせは揖斐川町観光連盟または名阪近鉄バス。
　堰堤天端は遊歩道として開放されているが発電所工事のため、立入箇所が制限されている。右岸ダムサイトに徳山ダムサイト公園、左岸の村の中心を見下ろす位置に本郷望郷広場がある。国道４１７号線の岐阜県側は徳山湖上流の塚白椿トンネルを最後に途切れ、福井県とは繋がっていない。代替道路の冠山林道は２０１０年６月時点で土砂崩れのため通行止めとなっている。国道３０３号線は本巣市の国道１５７号線分岐点から木之本町の国道８号線分岐点まで横山ダム堰堤天端を除き２車線で整備されている。
　横山ダム近くの道の駅星のふる里ふじはしにある、いび川温泉藤橋の湯は入浴時間が１０時から２１時までで大人５００円、３才以上１２最未満３００円。