
大聖寺川水系大聖寺川 九谷ダム 五彩湖 2020/06/21 更新

石川県加賀市山中温泉枯渕町にある九谷ダムは大聖寺川にある石川県の洪水調整、潅漑用水、水道用水、発電の多目的重力式コンクリートダム。ダムの名称は上流部の九谷地区が九谷焼発祥の地で古九谷窯跡があることに由来している。
ダム湖の最大貯水量は24,900,000m3、有効貯水量は22,400,000m3で五彩湖(ごさいのうみ)の名称が付いている。発電は堰堤直下の北陸電力新枯渕発電所で認可最大出力3,600kWの発電を行っている。
堰堤全面が自然越流式の非常用洪水吐になっている。上下に常用洪水吐が2門ある。洪水調節容量が(洪水期6〜10月)19,500,000m3と大きいため春も秋も水位が低い場合が多い。
堰堤天端は道路になっている。堰堤右岸に管理棟がある。我谷ダム管理事務所が大聖寺川ダム統合管理事務所となり現在は無人、事務所1階の枯渕2号トンネル側にダム見学者用のトイレがある。
ダム建設にあたって片谷町、坂下町、小杉町、生水町の大聖寺川沿いの4つの集落が水没した。水没集落住民の多くは上流の九谷町へ移転した。この時樹齢100年の大欅も九谷町に移植された。右岸堰堤近くに想郷広場が設けられ、湖底に沈んだ故郷を思う住民が訪れている。訪れた2009年5月30日は水量が少なく片谷(へきたに)町へ通じる道路が姿を見せていた。石川県では山奥の集落でも「町」が付けられている。 ダム下流側に枯渕集落があったが、ダム建設で集落の住人は県内各地へ移転して廃村となった。大聖寺川沿いの旧道の橋の前に旧枯渕八幡社の御神木が残り、案内板がある。神社は県道153号線沿いに新築移転されている。橋の少し下流側に枯渕発電所跡がある。
ダムへ来る途中の国道364号線沿いに道の駅山中温泉ゆけむり健康村「ゆーゆー館」がある。入浴時間は10時から22時までで大人580円、小学生230円、毎週火曜日休館。ゆーゆー館近くに有名な、こおろぎ橋がある。道の駅の「駅舎・今はやまなか」には北陸鉄道加南線で活躍した6010形が保存展示されている。6010形は日本初のオールアルミカーで「しらさぎ」の名称が付けられていた。譲渡された大井川鐵道で廃車になり、里帰りして展示され、車内も公開されている。
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