黒部川水系黒部川 出し平ダム湖
2023/09/30 更新
出し平ダムは富山県黒部市宇奈月町黒部奥山国有林内の黒部川にある関西電力が管理する重力式コンクリートの発電用ダムで、ダム湖の最大貯水量 は9,010,000m3、有効貯水量は1,657,000m3で小屋平ダムほどではないが相当に土砂が堆積している。このダムから取水した水は、はる ばる宇奈月ダム湖畔の新柳河原水力発電所と音沢水力発電所に送られる。新柳河原水力発電所の最大出力は41,200kWで、音沢水力発電所の最大 出力は124,000kW。両発電所への取水口ダム管理所の下部にあり観光列車からは見えない。
出し平ダムの特徴は排砂ゲートを備えていることで、毎年梅雨季に下流の宇奈月ダムとの連携排砂により、黒部川に溜まった土砂を排砂している。 このダムは登山経験の無い者は黒部峡谷鉄道からしか見ることができない。出し平駅はあるが通常一般客は乗降禁止で乗降するには関西電力の許可が 必要。幸いトロッコ列車のスピードが遅いので、なんとか列車内からの撮影は可能。従って写真はすべて黒部峡谷鉄道の観光列車から撮ったもの。
関西電力は毎秒最大3トンを放流している河川維持水を利用する、認可出力520kWの出し平発電所を建設し、2015年11月から営業運転を 開始した。年間の発電電力量は約171万kW/hで約480世帯の電気使用量に相当し、二酸化炭素排出量を年間約900トン削減することができる。
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