常願寺川水系和田川　有峰ダム　有峰湖                        2023/03/05 更新
 
　富山県富山市有峰にある有峰ダムは常願寺川の支流和田川にある北陸電力が管理する発電用ダム。戦前に富山県営で着工したが戦争で中断し戦後は
北陸電力の手で再開され１９５９(昭和３４)年に完成した。建設資材は富山地方鉄道立山線で小見駅(現：有峰口)まで運ばれ、そこから索道を使って
運び上げられた。当時、有峰林道は無かった。堰堤天端は有峰林道になっており、大型車も通行するため交通信号機による一方通行になっている。
　ダム湖は有峰湖と命名され、最大貯水量は２２２,０００,０００m³、有効貯水量は２０４,０００,０００m³。発電は２系統４発電所で、和田川第一
水力発電所で最大出力２７,０００kW、和田川第二水力発電所で最大出力１２２,０００kW、有峰第一水力発電所で最大出力２６５,０００kW、有峰
第二水力発電所で最大出力１２０,０００kWの計５３４,０００kWの大出力となっている。
　有峰湖は２００５(平成１７)年３月１６日に財団法人ダム水源地環境整備センターが選定したダム湖百選に選ばれ道源谷ゲート付近の展望台に記念
碑がある。
　和田川水系の取水口は堰堤にあるが、後から追加された小口川水系の取水口は左岸のダム湖に橋を延ばして造られている。有峰第一水力発電所は和
田川沿いにあるが、有峰第二水力発電所は小口川沿いにあり、発電に使用した水は逆調整池小口川ダムに流され、小口川ダム堰堤から延びる送水菅で
有峰第三水力発電所最大出力２０,０００kWに送られている。
　和田川第一、第二水力発電所の水は送水菅で新中地山水力発電所最 大出力７４,０００kWへ送られており、有峰ダムを源とする発電量は６０万kW
を越える。
　有峰湖の水は周りの２０００ｍ越の山々の雪解け水が谷筋を導って流れ込んでいるが、中でも東谷は神通川水系の金木戸川から地下水路により水を
引いていて水量が多い。２０１１年１１月１６日に河川維持水の放流を利用した有峰ダム発電所１７０kWが運転開始した。有峰ダム発電所の画像は、
北陸電力から。
　周辺は１９７３(昭和４８)年に有峰県立自然公園に指定された。ダム湖である有峰湖周辺は原生林に覆われ、湖岸を一周する道路(一部未整備)や白樺
林に囲まれたキャンプ場、ふるさと自然公園テニスコート、有峰青少年ハウス、有峰記念館などが整備されている。また、湖畔から見る薬師岳はすば
らしい。ここを初めて訪れた２００６年１０月９日富山気象台が立山の初冠雪を発表した日だった。残念ながら紅葉には少し早かった。帰りは神岡へ
抜けたが、途中に山之村牧場があり立ち寄ってみるのも良い。２度目は２００９年７月２２日に訪れたが久しぶりに開通した有峰林道小口川線を通る
ことができた。３度目は小見線が２車線化された２０２１年１１月５日に訪れた、紅葉が綺麗だった。２車線化は２０２１年１０月６日。
　富山県側からは富山市の富山地方鉄道有峰口駅前から有峰林道小見線を登る。亀谷温泉を過ぎると料金所があり、料金は普通車２,０００円で湖畔の
林道を通って岐阜県の神岡へ抜けることができる。 岐阜県境から先は岐阜県道の一般道で神岡市街の国道４７１号線まで２車線の道路が続いている。
岐阜県境からの有峰林道東谷線も湖畔まで２車線の道路が確保されているので神岡から入る方が道は良い。料金所は県境の飛越トンネルの出口にある。
電車利用の場合、夏休み期間中は有峰口駅前から路線バスがあるが、その他の期間はタクシーの利用となる。
　有峰林道小見線料金所手前の亀谷温泉に日帰り入浴がでる亀谷温泉白樺の湯がある。受付は１３時から１８時４５分までで、料金は富山県の公衆浴
場料金を適用。大人(12才以上)４４０円、中人(6歳以上12歳未満)、１４０円小人(6歳未満)６０円。(入浴は１９時３０分まで入浴可)