2024/12/27
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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙

高岡古城公園西内濠を泳ぐマガモ 2024/11/25 撮影
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今日の列車(万葉線)

新湊港線新町口−中新湊間を走る7076越ノ潟行き 2023/05/31
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庄川水系境川 境川ダム湖 桂湖 富山県南砺市桂
2011/06/12 撮影

中流部の道路から堰堤方向
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今日の植物

朝日町境の護国寺に咲くハナズオウ 2015/05/05 撮影
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ウニ畜養、年360トン出荷 朝日に進出のウニノミクス
(東京)、世界最大規模の施設2026年稼働
2024年12月26日 05:00
食害ウニの陸上養殖を手がけるウニノミクス(東京)は12月25日、朝
日町にウニの養殖施設を整備する計画を発表した。磯焼け対策で駆除したウ
ニを漁業者から買い取り、独自の「畜養」システムで飼育する。来年4月か
ら3棟を順次建設し、フル稼働で年間360トンの出荷を見込む。ウニの陸
上養殖施設としては世界最大規模の生産量になるという。新たな富山ブラン
ドを国内外に発信するとともに、海洋環境の保全につなげる。
ウニノミクスの石田晋太郎社長(富山市生まれ)が朝日町役場で記者会見
を開き、説明した。畜養場は同町浜草野の海沿いで造成中の町有地に整備。
ウニを350匹以上飼育できる水槽が600台並ぶ施設を3棟建てる計画で、
1棟目は早ければ2026年1月に完成させ、4月の初出荷を目指す。投資
額は35億円。
国内外の海岸では、気候変動の影響で増殖したウニが藻場を食い荒らし、
砂漠化する「磯焼け」が問題になっている。ウニ1匹は数万個を産卵すると
され、県内各地でも数の多さに駆除が追いついていない。
同社は、身が少なく利用価値のない駆除ウニに、独自開発した海藻由来の
配合飼料を与え、8〜12週間で太らせる畜養技術を持つ。大分と山口両県
に畜養場を構え、「豊後の磯守」「長州の磯守」の各ブランドで全国の高級
飲食店や百貨店、ホテルに毎日出荷。ウニを間引いた海域では藻場が復活し、
二酸化炭素排出削減の「Jブルークレジット」認証を受けた。
朝日町の畜養場では、北陸3県の漁協などからウニを調達する。買い付け
先を拡大し、3棟の稼働後は年間450万匹分を生産。県内のほか国内外で
販売し、売上高20億円超を見込む。石田社長は「朝日のウニが県民の食卓
や世界中のレストランに並ぶことを展望している」と語った。
来賓で出席した新田八朗知事は県ブランディング戦略「寿司といえば、富
山」に触れ「魚種の多い県内で新たなブランド食材が加わることが楽しみだ」
と期待した。
食害駆除から事業化、漁業関係者ら期待
ウニノミクスの朝日町進出を受け、漁業関係者や駆除ボランティア団体か
ら歓迎と期待の声が上がった。
朝日町漁協と泊漁協は近年、磯焼けの海洋調査や食害ウニの駆除に取り組
んできた。町漁協の水島洋組合長は「廃棄処分するしかなかったウニがビジ
ネスになるのは、願ったりかなったりの話」と受け止めた。
同社と畜養場建設の検討を重ねてきた泊漁協の脇山正美組合長は「もうか
る利点があれば副業としてウニを捕獲する漁師も出てくるだろう」と言い、
「漁協として協力できる体制を整えたい」と前を見据えた。
藻場の復活を願う声もあった。同町を中心に月1回の駆除イベントなどを
展開する一般社団法人グリーンスピアフィッシャーズの元起大智代表は「ウ
ニの間引きで藻場を回復させるサイクルを回せれば、他の魚介類が育つ環境
に戻すことが期待できる」と話した。

K界最大規模となる畜養場での事業計画を説明するウニノミクスの
石田社長(右)。左は笹原町長=朝日町役場

ウニノミクスが朝日町浜草野に建設する畜養場の外観イメージ。 同社提供

専用配合飼料による畜養で身が詰まったウニ
記事・画像:北日本新聞から