2024/10/16
10:40
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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙
富山市原の幸せの鐘〜ハッピーツイン・ベル展望台から立山大橋
2010/11/04 撮影
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今日の列車(富山地方鉄道富山市内軌道線)
富山駅に到着する7017南富山駅前行き 2018/03/12 撮影
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宇奈月ダムうなづき湖の紅葉
うなづき湖第二展望広場から上流側 2010/11/16 撮影
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今日の植物
射水市戸破の旧北陸道沿いのコスモス(秋桜) 2014/09/27 撮影
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ツキノワグマ10年で生息数倍増 山林放置、人里に接近
2024年10月16日 05:00
「この地区に80年以上暮らしているが、クマが出たのは初めて」「どこ
から来たか想像つかない」。5月27日にツキノワグマが出没した砺波市狐
島の散居村。住民は、不安とともに驚きを口にした。
クマはかつて、人が多く暮らす集落や住宅地などに近づくことは少なかっ
た。だが、近年は各地で頻繁に目撃され、人身被害などの発生リスクも高ま
っている。専門家は「人里近くに定着したクマが増えている」と警鐘を鳴ら
す。
クマの出没は、餌となるドングリの実り具合が悪いほど増えるとされる。
カキなどを求めて人里に下りてくるためだ。しかし、専門家の間では「ドン
グリの豊凶にかかわらず、クマの出没は起こり得る」という認識が広がる。
背景にあるのが人間の生活スタイルの変化だ。山林でまきや炭の原料確保
のため木を伐採したり、狩猟したりといった活動が減少。過疎化や高齢化に
伴い耕作放棄地が増え、カキなどの果樹も放置されるようになった。山裾の
集落はクマにとって危険が少なく、餌を得やすい場所に変化した。
クマの生態に詳しい立山カルデラ砂防博物館の白石俊明主任学芸員は「か
つて山あいの人里はクマにとって魅力が少なく、怖い場所だった。現在は人
への恐怖と、餌への魅力のバランスが逆転した」と説明する。
クマが生息しやすい環境が広がったことで、個体数も増加している。県の
推計によると、2008年は740頭だったが、2018年には1460頭
と倍増した。白石学芸員は「現在はさらに増えているだろう。山中のクマは
飽和状態で、人里などに下りてきやすい状態だ」と危惧する。
県はクマを近づけない対策としてカキなどの除去や、クマが隠れやすいや
ぶや茂みをなくすよう呼びかけている。しかし、人身被害が後を絶たず、2
023年度の全国の件数は過去最多となった。環境省は4月に捕獲や調査を
国として支援する「指定管理鳥獣」に指定するなど対策に力を入れているが、
クマが陣地を広げる勢いに対し人間の押し返す力が足りていないのが実情だ。
県森林研究所は、2024年はブナが県全域で不作、ミズナラとコナラは
並作と予測。同様の傾向だった2007年と2009年は、9〜11月のク
マ出没件数がそれぞれ74、27と少なかった。
しかし、白石学芸員は油断は禁物と強調。「クマとの接触を減らすために、
対策を徹底してほしい。カキの木の1枝を減らすだけでも接触のリスクが減
る」と訴える。
砺波市狐島に出没したクマ。住民は「この地区では縁がないと思っていた」
と驚いた=5月27日16時半ごろ
記事・画像:北日本新聞から