2024/04/12  19:05   更新時天気  晴れ 気温  14.2℃

桜ウォーク

万葉線越ノ潟駅付近にある富山新港開港記念緑地のソメイヨシノ咲き始め
万葉線越ノ潟駅、中伏木駅周辺をウォーク    2024/04/04
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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙

万葉線 新湊港線越ノ潟駅付近の線路敷に咲くセイヨウタンポポ
2024/04/04 撮影
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今日の列車

富山地方鉄道不二越・上滝線栄町を発車した14760系電鉄富山行き
Mc14761+Mc14762 2019/10/23 撮影
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今日のダム湖

南砺市臼中にある富山県営臼中ダム湖 上流部左岸林道西島線から
2010/05/31 撮影
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今日の植物

高岡市スポーツ健康センター付近の菜の花畑 2013/05/05 撮影
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月着陸支えた画像技術 SLIMが日本初の快挙
シキノハイテック(魚津)開発
2024年4月12日  05:00
ピンポイントの精度
 今年1月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の無人探査機「SLIM
(スリム)」が月面に降り立った。日本初の月面着陸という快挙を支えたの
が、シキノハイテック(魚津市吉島)の画像処理技術だ。開発までに4年の
歳月をかけた最先端の技術で、精度の高い「ピンポイント」での着陸を実現
させた。(飯田章太郎)

 スリムは昨年9月7日、種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Aロケ
ット47号機で打ち上げられた。月の狙った場所にピンポイントで着陸させ
る新技術の実証が目的で、従来機の着陸範囲は数キロ〜数十kmとしていた
が、誤差100m以内に降りることを目標に開発が進められた。

 JAXAは、カメラで撮影した月の画像からクレーターを識別し、機体に
内蔵した月面の地図と照合することでスリムの位置を推定・修正する技術を
採用した。

 正確な着陸を実現する上で、撮影画像を処理するスピードが重要になって
くる。重力が小さい小惑星では機体の降下と上昇を繰り返すことが可能だが、
重力が小惑星より大きい月では、着陸をやり直すことができない。軌道から
月面への降下時間は約20分。画像の分析が遅れると、着陸地点を見失う可
能性があり、処理の高速化が求められた。

 白羽の矢が立ったのが、シキノハイテックの画像処理技術だった。JAX
Aは、集積回路「FPGA」を大規模化せずに画像を圧縮処理する同社の技
術に着目し、2012年に協力を依頼。電子制御技術部の技術者3人が中心
となり、同社が開発した画像処理技術をFPGAに組み込み、スリムの航法
カメラに搭載することで処理の高速化を実現した。

宇宙空間は、高エネルギーの放射線によるノイズや故障など地表と比べてト
ラブルが起きる可能性が高い。電子制御技術部長の浦崎徹氏は「さまざまな
事態を想定して実験を重ね、どのような場合にも対応できるようプログラム
を作ることが非常に難しかった」と振り返る。

 FPGAは正常に動作し、スリムは1月、目標地点から東に55mの月面
に着陸し、目標を達成した。JAXAの宇宙科学研究所(神奈川県)で歴史
的瞬間を見守った浦崎氏は「ピンポイント着陸の一翼を担えたことが非常に
うれしかった」と話す。

 シキノハイテックにとって、スリム用航法カメラの画像処理を開発したこ
とは、宇宙事業を拡大するきっかけとなった。2018年に打ち上げられた
同社の通信制御装置は、現在国際宇宙ステーション内にある日本の実験棟
「きぼう」で使用されている。浦崎氏は「今回培った技術を生かし、計測や
車載関連を中心に、画像処理技術の開発にもつなげていきたい」と述べた。

◆SLIM◆ 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した月面着陸の実
証機。名前は英語の「Smart Lander for Investi
gating Moon」を組み合わせた。側面のカメラで撮影画像と月面
の地図を照合しながら自らの位置を推定100m以内の誤差で目標地点を狙
う。搭載機器の小型化と軽量化を図り、縦1.7m、横2.7m、高さ2.4m、
重さは約200kg。

日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM」(JAXA提供)


SLIMが高度50mから撮影した月面画像(JAXA提供)
記事・画像:北日本新聞から