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高岡古城公園内射水神社の紅梅 2024/03/15 撮影
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万葉線庄川橋梁を渡る7071高岡駅行き 2022/04/12 撮影
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南砺市臼中の富山県営臼中ダム湖 林道城福線から 2010/05/31 撮影
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朝日町境にある護國寺のクルメツツジ 2015/05/05 撮影
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富山地鉄の運営形態変更へ 2024年夏に富山市と6市町
村が協議会、「みなし上下分離方式」軸に
2024年3月29日 05:00
富山市が今夏をめどに、富山地方鉄道の鉄道3路線の持続可能な運営形態
を考える協議会を、県東部の沿線6市町村と立ち上げることが3月28日、
分かった。複数の関係者によると、運行に関する維持管理費を自治体が担う
「みなし上下分離方式」を軸に検討が進むとみられる。あいの風とやま鉄道
への経営移管が決まったJR城端線・氷見線に続き、県東部でも公共交通の
再構築を巡る議論が本格化する。(笹谷泰)
富山地鉄は本線と不二越上滝線、立山線の3路線があり富山、魚津、滑川、
黒部、上市、立山、舟橋の7市町村を走る。ただ、燃料価格高騰や人口減少
に加え、新型コロナウイルスによる利用低迷も尾を引き、厳しい経営状況と
なっている。国や沿線自治体からの補助金を加えても、鉄道部門の赤字だけ
で年間6億〜8億円に上る。
経営状況がさらに悪化すると、現在の本数を維持することが困難になる。
このため、富山市は今年2月、沿線6市町村に呼びかけ、地鉄への支援の在
り方を考える課長級会議を初めて開催。地鉄側も出席し、3路線の再構築に
ついて2024年度中に何らかの方向性を出すことでまとまった。
今夏をめどに立ち上げる協議会は、各市町村の首長が出席し、存続の在り
方を話し合う。国の支援制度に基づき、自治体が駅舎や線路、車両などの鉄
道施設を維持管理し、地鉄が運行する上下分離方式▽地鉄が施設を保有して
運行し、維持管理費を自治体が担うみなし上下分離方式▽別の事業者への経
営移管−の3案を検討する。
どの案を選んでも、駅舎改修や車両導入などハード面の費用が半額、国の
補助を受けられる。沿線自治体の財政負担が最も少ないのがみなし上下分離
方式のため、有力な選択肢になるとみられる。
協議会では、沿線自治体の負担割合も焦点の一つになるとみられる。電鉄
富山駅−宇奈月温泉駅を結ぶ本線は、上市駅までの利用者は堅調に推移して
いるが、同駅から東側の利用は伸び悩んでいる。沿線自治体ごとに異なる利
用状況を踏まえ、負担割合を導き出していく必要があるという。住民のマイ
レール意識をどう醸成していくかも議論していくことになりそうだ。
公共交通の再編を巡る議論は、昨年の法改正を契機に全国で加速している。
県内ではJR城端線・氷見線の経営移管が自治体主導で決まり、全国のモデ
ルケースとして注目された。富山市は、市内を南北に結ぶJR高山線につい
ても、運営形態の変更の検討に向けた試算を始めている。
記事・画像:北日本新聞から