2009/10/11 撮影
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今日の植物
富山市呉羽の姉倉比売神社付近のナガバユキノシタ 2015/03/27 撮影
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バス業界、深刻な運転手不足／元ガイドがハンドル握る
2024年2月3日 05:00
射県内のバス会社が、深刻な運転手不足に頭を悩ませている。全国的にも
長時間労働や低賃金などを理由になり手が少ないバス運転手。時間外労働の
上限規制が始まる「２０２４年問題」を４月に控え、各社は労働条件の改善
や採用活動の強化を図る。中にはバスガイドが運転手に転身することで人手
を確保した会社もある。（一川孝文）
「最初は『えーっ』という思いでした」。加越能バス（高岡市江尻）で路
線バスの運転手を務める田島奈美さん（４９）は、会社から“異動”を打診さ
れたときの心境を振り返る。
苦肉の策
きっかけは２０２０年春からの新型コロナウイルス禍だった。１９９３年
の入社以来約３０年間、バスガイドとして乗務してきたが、コロナ禍で団体
旅行が激減。ガイド業務もほとんどなくなり、代わりに高速バスの乗車券販
売など内勤業務に従事していた。かねて運転手不足に悩んでいた同社は、逆
境を逆手に苦肉の策に打って出ることを決断。田島さんら４０〜５０代の女
性のベテランガイド６人に、運転手への転身を要請した。
会社が大型２種免許の取得費用を負担し、勤務時間内に教習所に通った。
６人は２０２２年８月以降、運転手として順次デビューし、路線バスのハン
ドルを握る。田島さんは「お客さんを無事に目的地のバス停までお送りし、
何事もなくバスを会社に戻す。命を預かる仕事で、一日一日が勝負と思って
いる」。
同社の運転手は現在６６人。本来必要な８９人には遠く及ばず、元バスガ
イドの６人が貴重な戦力になっている。運行課・車両整備課の太田万則課長
代理は「６人は接客を教える必要がなく、日頃から運転手の仕事をそばで見
てきたので、新人を育てるより近道だった。本当に助かっている」と感謝す
る。
若返り進まず
県内最大手の富山地方鉄道（富山市桜町１丁目）は運転手の人数を公表し
ていないが、１５％不足しているという。他社に先駆けて待遇改善に努め、
２０１６年から正社員採用を始めた。賃金や昇格制度の改定、労働環境の整
備に力を入れるが、人材確保に苦労している。
全国からの新卒・中途採用に力を入れる方針で、会社を広く知ってもらお
うと、露出増に向けた広報戦略を練っている。２０２４年問題についても
「拘束時間をできるだけ短くするため、勤務の見直しを進める」（総務部）
としている。
イルカ交通（高岡市二塚）は２５台のバスを保有するが、運転手は１７人
にとどまる。約１年半前に２０代の運転手を１人採用したが、５０代が中心
で若返りが進まない。運転手は年間通じて募集しているが、西村寛（ひろ）
社長は「問い合わせは全くといっていいほどない」とこばす。
３月１６日の北陸新幹線敦賀開業で観光需要の高まりが期待されている。
西村社長は「残業規制強化で運転手の負担は軽くなる。働きやすい環境を整
え、人材を確保していきたい」と言う。
全国の９９％「不足」
地域公共交通総合研究所（地公研、岡山市）が２０２３年１１月、全国の
バス事業者に実施した運転手不足に関するアンケートによると、「不足」と
回答した割合が９９％に上った。その多くが対策として減便や路線廃止を検
討している。
地公研は運転手不足の解決には、他産業より低い待遇の改善が必須だと指
摘する。運賃の引き上げ▽国や自治体が車両などを持ち民間が運行を担う
「公有民営」への転換▽外国人労働者の雇用に対する国の許可―といった改
革が急務とし、４月からの残業規制適用については「少なくとも、コロナ禍
で失った３年間は延期すべき」と提言している。
バスガイドから運転手に転身した加越能バスの田島さん
バス運転手の募集を呼びかけるのぼりがはためくイルカ交通の本社営業所
記事・画像：北日本新聞から
加越能バスの高速バス
富山地方鉄道の高速バス
イルカ交通の高速バス