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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙

滑川市堀江の堀江自然ふれあい広場 池付近のサザンカ 2024/01/05 撮影
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今日の列車

えちごトキめき鉄道高田駅を発車したET122-7+ET122-1直江津行き
2023/03/30 撮影
1920 X 1080


今日のダム湖

滋賀県東近江市平柳町僧坊にある滋賀県営宇曽川堰堤付近のダム湖
2009/09/25 撮影
1920 X 1080


今日の植物

高岡古城公園本丸のツバキ 2014/11/10 撮影
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射水・新湊のすし店苦境 店主高齢化、後継者おらず
2024年1月24日  05:00
 射水市新湊地域のすし店が、後継者の不在に頭を悩ませている。新湊寿司
組合によると、全8店のうち既に代替わりした1店を除く7店で後継者がお
らず、店主の高齢化も進む。県が「すしと言えば富山」のブランディング戦
略を打ち出す中、水産業が盛んな新湊ですし店が苦境に立たされている。
(堀佑太)

 新湊寿司組合には旧新湊市エリアの8店が加盟。昔ながらのカウンターの
ある店舗で、新湊産を中心に富山湾で取れた旬のネタを提供する。最も多か
った約40年前は20店以上が加盟していたが、次第に減少。店主の平均年
齢は70歳を超える。能登半島地震の大きな被害はなく、全店が営業してい
る。

客足・出前減少
 組合長で石松寿司(中新湊)店主、久々江良行さん(78)は後継者不在の
要因にすし店での働き方を挙げる。個人経営の店舗は休業日が少なく、拘束
時間が長いといい、「お金より家庭の時間を大切にする今の時代に合わない」
と指摘する。

 人口減少や回転ずし店の増加、若い世代の魚食離れなどで客足は減り、出
前も少なくなったという。「これ以上店を減らしてはいけないが、高齢の店
主が多く、一つの店が辞めたら連鎖的に辞めてしまわないか不安だ」と話す。

 浪花鮨(西新湊)の店主、京谷洋明さん(45)も危機感を抱く。4年前に
父の修一さんから代替わりしたため、後継者問題について当面の心配はない
ものの、「店の数が減ることでお客さんの選択肢が狭まり、店同士の相乗効
果も失われる」と危惧する。

 特に店舗の減少は、漁港を抱え、多彩な海の幸に恵まれる地域の衰退につ
ながりかねないとし、「意欲のある人に新湊で新規開業してもらう仕かけを
考えなければいけない」と強調。すし店の利用促進に向け、観光客の滞在時
間を延ばす取り組みも大切とした。

新規出店支援
 県は、富山県の認知度向上のため2023年度からすしを軸にしたイメー
ジ発信に乗り出した。豊かな自然に根差した魚や米、酒など富山の幅広い魅
力を打ち出せるとして、すしに着目。今後10年間で「すしと言えば富山」
を連想する人の割合を都市部で90%にするのが目標だ。

 こうした機運の高まりをとらえようと、射水市は県のブランディング戦略
と連携し、すし店の活性化に取り組む構えだ。24〜28年度を対象とする
中小企業振興計画に「すしなど射水市に根付いた食文化の発信」を盛り込み、
新規出店や既存店の維持を支援する。

 市商工企業立地課は「具体的な事業は検討中だが、県の戦略と連携し、射
水市の大切な食文化であるすしをしっかりと支援していきたい」とする。

 射水商工会議所は、新湊の海産物をPRするキャンペーン「食彩しんみな
と」や魚食に関する冊子の発行を通じて魅力を広めてきた。牧田和樹会頭は
すし店を継承していく上で、職人の養成所を設ける必要性を指摘する。その
上で「後継者のいない店と職人をマッチングさせる仕組みがあればいい」と
話している。

ウンターに立つ久々江さん。新湊のすし店で後継者の不在が課題となって
いる                  
記事・画像:北日本新聞から