2023/12/21
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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙
高岡市古城の高岡古城公園射水神社参道から本丸のイロハモミジの紅葉
2023/11/22 撮影
1920 X 1080
今日の列車
富山地方鉄道本線寺田駅を発車した14760系電鉄富山行き
Mc14765+Mc14766 2019/01/06 撮影
1920 X 1080
今日のダム湖
奈良市北野山町にある水資源機構の布目ダム湖 堰堤天端から
2009/09/24 撮影
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今日の植物
氷見あいやまガーデンの紫陽花 2014/06/21 撮影
1920 X 1080
公共交通のあした 城端・氷見線移管
あいの風とやま鉄道・日吉敏幸社長に聞く
人流拡大、県東部も効果
2023年12月20日 05:00
統ーフリ切符検討
Q JR城端線・氷見線の経営をあいの風とやま鉄道が引き継ぐことになった。
どんな路線にしていくか。
「現路線との統一的なダイヤ編成が可能になる。接続が合理化し、県西部
の交通ネットワークが強化される。県東部から県西部に人を呼び込むことが
でき、その逆も可能になる。人流が広がり、県全体で見ても一体化するのは
効果が高い。格好良く言えば『ウィンウィンの関係』になる」
Q 経営移管のメリットと現路線との相乗効果は。
「今が城端・氷見線を存続させるラストチャンスで、両線を残すこと自体
が最大のメリットだ。路線の維持は地域振興に必要不可欠。例えば、高校生
が通学時に鉄道を利用できないとなると、大人になってそういう地域で子育
てしようとは思わないでしょう」
「現路線と城端・氷見線のパターンダイヤを組み合わせて『タクトダイヤ』
にすることで、高岡駅での乗り換えをスムーズにできる。沿線市町村と連携
し、イベントの際に打ち出しているフリー切符を城端・氷見線に広げること
も考えられる。越中宮崎から石動まで土日祝は1500円で1日乗り放題と
いう切符もある。これも城端・氷見線に広げれば、県の東西と県西部の南北
を巡ることができ楽しめるのではないか」
Q 7月末の第1回再構築検討会で、沿線4市長があいの風鉄道への経営移管
を提案した。当時の心境と社内での対応を聞きたい。
「再構築検討会の前に、LRT(次世代型路面電車)化検討会が設置され
ていた。そこでLRT化を断念し、新型車両によって鉄道を維持する方向に
なった段階で、何らかのアプローチがあるのではないかと思っていた。ただ、
『早い動きだな』と驚きはあった」
「あいの風鉄道を運営して9年が経過し知見はあるので、協力する方向で
内部検討しようと判断した。元々、地元の熱意があり、国の新しい財政支援
制度もできた。県の地域交通戦略の策定も進んでおり、いろんなタイミング
が重なった。『実績のあるあいの風さんに』と言われると、断れない」
Q
第2回再構築検討会で示した経営を引き継ぐ5条件で最も重視したのは。
「現路線の経営に支障が出ないようにすることをはっきりさせた。あとは
人、モノ、カネを重視した。運転士や技術系の人材支援といった人の話、移
管前のレールや枕木の再整備というモノの話、区分経理や財源確保といった
カネの話だ。それぞれをしっかり押さえた形で条件を提出した」
Q 実施計画で城端・氷見線の収支が初めて公表され、2022年度の赤字額
は10億円余りだった。
「城端・氷見線は通学利用者が多く、客単価が低く抑えられている。ある
程度の利用があっても運賃収入は大きくならない。こうしたことに加え、
JR西日本が公表している輸送密度2千人未満の他路線の収支を見てみると、
城端・氷見線も同じくらいの赤字があってもおかしくないと思っていた。想
定内だ。単価が高いビジネス客や観光客を増やす努力も必要になる。利用者
がどれだけ増えるかは想定しづらいが、タクトダイヤ化である程度は頑張れ
るのではないか。城端・氷見線単体で考えてはだめだということ」
Q JR西の拠出金150億円をどう評価する。
「使い方に柔軟性があることは評価できる。額の妥当性については県や沿
線市が答える話だと思う」
Q
JR西からは人的、技術的支援も受ける。
「技術系の人材は移管前から出向してもらわないといけない。移管時には
運転士や指令などの人材も必要。技術的支援が最も必要なのは直通化工事だ。
相当知見の高い技術集団でないとできないハイレベルな作業になる。JRさ
んとは人的な関係はまだまだ続く。経営を引き継いだら終わりというわけで
はない」(聞き手・久保智洋)
◆ひよし・としゆき◆
1979年、県庁入庁。総合交通政策室長や観光・地域振興局長、知事政
策局長などを歴任。2015年4月にあいの風とやま鉄道の代表取締役副社
長に就き、17年4月から社長。68歳。
記事・画像:北日本新聞から
牛島公園から あいの風とやま鉄道本社