木曽川水系木曽川 大井ダム湖 恵那峡 2020/07/28 更新
大井ダムは岐阜県恵那市大井町奥戸の木曽川本流にある関西電力の発電用重力式コンクリートダムで、発電用ダムでは日本最初と言われている。ダム湖の総貯水量は29,400,000m3、有効貯水量は9,250,000m3で、相当土砂が堆積しており、堰堤右岸には浚渫した土砂の山が見られる。
発電は堰堤下流側右岸の大井発電所で、認可出力は52,000kW。大井発電所は1997(平成9)年11月にクリーンエネルギー増加対策で老朽化した発電機が交換され、認可出力48,000kWから52,000kWに増強された。1983(昭和58)年4月に大井発電所の上流側に新大井発電所、認可出力32,000kWが建設され運転を開始した。
堰堤左岸に中部電力奥戸発電所があるが、大井ダムから取水する発電所ではなく、阿木川から取水する水路式で認可出力僅か500kWの小出力発電所で地図にも掲載されていない。
大井ダムの竣工は1924年で恵那峡遊覧船の待合室に工事の様子を写した写真が展示されている。木曽川では古来より木曽節にも唄われている筏流しが行われていたが、大井ダム完成により筏流しができなくなったため、代償として北恵那鉄道が建設された。鉄道は中津川市下付知と中央線中津川駅を結んでいたが1978(昭和53)年モータリーゼーション発展による乗客の減少から廃止された。会社はバス会社の北恵那交通として残っている。
大井ダムにより誕生した人造湖は恵那峡として、両岸にある奇岩を巡る観光地となった。現在は恵那峡遊覧船が5隻のジェット船を使い30分間隔で運行している。行きはゆっくりと走るが帰路は高速で戻り波しぶきに虹も見られる。
ダム湖は2005(平成17)年3月16日に財団法人ダム水源地環境整備センターが選定したダム湖百選に選ばれている。右岸の赤岩の下に恵那峡ワンダーランドがある。乗船場付近には湯快リゾート恵那峡国際ホテルがある。
恵那峡国際ホテルの立ち寄り湯は9時〜23時まで大人500円、3才以上・小学生350円。(大人休日前日など1000円)。大井ダムへの公共交通はJR中央線から堰堤へは東鉄バスで蛭川線で奥戸下車。恵那峡へは恵那峡線で恵那峡、または恵那峡公園前下車。
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